第6章 月夜の猫
妖艶『日紫鬼、妖怪の気配だ』
日紫鬼「!!…そこにいてよ!!」
ヤクザ1「あ、おい!」
日紫鬼は二人から離れ、気配のする方へ向かう。
ザワザワと庭の林が揺れている
日紫鬼「!!…」
《ゥ゛ニャァァァアアアアアアア゛!!》
日紫鬼「っ;…ぅっ、ひどい臭い;」
内蔵に響くような猫の鳴き声。目に見えるほどの緑の霧は徐々に広がっていく
日紫鬼は鞘から刀を抜き、構えた
妖艶『あまり吸い込むな。毒気を放っているんだ』
「何者ダァ…オ前ハ」
現れたのはとても大きな黒猫
大きな目はギラギラと光り、木でもなぎ倒しそうな大きな鋭い爪、毒気を吐いている口は鋭い歯が剥き出しだ
日紫鬼「でか;猫バスかよ;」
妖艶『油断するな』
化け猫「奴ハ何処ダ…勘九郎ハ何処ダ…何処ダ。出セ、出セ!!ニャァァァアアアアアアア゛!!」
妖艶『よけろ!!』
日紫鬼「分かってる!」