第2章 マネージャー?
「マネージャーかぁ・・・確かにもう一人か二人は欲しいよねー。清水先輩一人じゃ大変だし、来年マネいなかったら辛いかも」
「だからってこの時期に入る奴なんかいるわけないデショ。・・・あ、君誘われたんだっけ。どうなの?」
「あ、私は・・・ちょっと」
「だよね」
曖昧に濁したつもりだったけど、月島君はすぐそれを否定的な言葉として受け止めた。
私の発言を切り捨てるみたいに。
私が勝手にそう感じただけで月島君はそんなつもりなかったのかもしれないけど、やっぱり少し悲しい。
山口君も申し訳なさそうにしている。
「みんなマジになっちゃってさ、ホントめんどくさい」
「え・・・でも、バレー部って全国目指してるんでしょ?」
月島君の物言いに不信感が募る。
聞いていいものか迷ったけれど、勇気を出して聞いてみた。
山口君は俯いていて、その表情は伺えない。
「そうみたいだね。でもたかが部活デショ。僕はムリ」
――――そんな。
月島君の言葉になんとも言えない感情が湧き上がってくる。
それはショックであり、怒りでもあった。
気付いた時にはもう口は開いてて。
「取り組み方は人それぞれだと思う、けど、でも」
「・・・何?」
月島君が立ち上がる。
さっきまで見下ろしていた相手が、何十センチも高い目線にいた。
(怖い・・・)
でも、言いたい。
私だって本当はバレー部のマネやりたいんだよ。
きっと辛いのは自分だし、報われないこともわかってる。
それでも菅原先輩のそばにいたい。
・・・だけど。
「本気で取り組んでる人の中で中途半端なことするの、失礼だよ」