第2章 マネージャー?
私はいい加減教室に戻ることにした。
気持ちはすっきりしないままだけど、友達をいつまでも待たせるわけにはいかないし、私もまだお昼ご飯の途中なのだ。
私は目立たないようにゆっくり静かに戸を開けた。
「・・・え、」
どういうことか、二人のクラスメイトが私を見ている。
慎重に開け過ぎて逆に変に思われたかな、とも思ったけど、どうやら違うみたいだ。
「ねぇ、さっきの人って清水先輩だよね?」
そばかすとハネ毛が特徴的な男の子が問いかける。
たしか――――・・・そう、山口君だ。隣に座っているのは月島君だったはず。
月島君は身長がとても高くて、入学当初からみんなの目を引いていた。
「う、うん。そうだよ」
「やっぱり!さすがツッキー!」
「山口うるさい」
「ごめんツッキー!」
月島君が清水先輩に気づいてそれを山口君に教えたってことかな?
2、3言しか交わしてないけど、この二人、すごく仲が良いってことはわかった。
緊張して重かった心がちょっとだけ軽くなる。
「何ニヤニヤしてんの」
「し、してないしてないっ」
やばい、私ニヤニヤしてた・・・?
慌てて否定する私を月島君がじろりと見上げた。
すごく迫力がある。
「ふーん。まぁ、別にいいけど。結局何話してたワケ?」
「あ、えっと・・・バレー部のマネージャーに誘われて、それで・・・」
「マネージャー!?」
「今更?無理デショ」
即否定ですか。
というか、もしかして二人って・・・
「山口君と月島君って・・・バレー部、なの?」
「そうだよ〜」
山口君が答えてくれる。
(やっぱり・・・!)
同じクラスなのに全然知らなかった。