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好きです、菅原先輩

第1章 告白


私が呼び出したのは、人気の少ない階段の踊り場。
丁度放課後、部活の始まる前の時間帯だ。
私は部活には入っていないけれど、菅原先輩はバレー部で副主将をしている。
だから時間を取らせないように、そこからすぐ体育館に向かえる場所を選んだ。

キュ、キュと上履きの擦る音が聞こえ、心臓が跳ねる。
もう既に顔が真っ赤になってしまっているだろう。
緊張して怖くなって、少し後悔の念すら湧いてきた。

でも、もう後戻りなんてできない。
したくない。
だって、今日で終わらせるんだから。

近づいてきた足音の主が、目の前に現れる。
菅原先輩だ。
先輩は驚いた顔をしていた。


「・・・あ、の!!」

やばい。声が震えている。
口がなんか、ヘン。歯がどっかいっちゃったみたいにぱくぱくしてて、金魚みたいだ。

「もしかして、苗字さん?」

「はっはい!!そうです!」

「おお、久しぶり!3年ぶりくらいじゃない?元気にしてた?」

「はっはい!お陰様でっ」

私のこと、覚えててくれてたんだ・・・!
驚きと嬉しさで頭が真っ白になってしまう。
今だに口をパクパクと開閉している私に先輩がぷっと吹き出した。

「ちょ、どうしたの」

「あ、えと、すみません」

「ふふ、やっぱ変わってないなぁ」

真っ赤になって俯いてしまった私に、先輩は柔らかい笑みを浮かべた。

ああ、やっぱり私、菅原先輩が好きだ。
この笑顔が大好きだ。
好きで好きで、愛おしくて堪らなかった。

もう、我慢なんてできない。

「・・・菅原先輩」

「ん?・・・あぁ、そういえば用があるんだったよな。どした?」

「好きです」


私は先輩の目を真っ直ぐ見て、はっきりとそう告げた。
怖いし緊張するし恥ずかしいけど、想いを確信した今ならなんてことない。
だって、この人が好きだから。

驚き目を見開く貴方に、私はもう1度告げる。


「好きです、菅原先輩」

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