第2章 雨とネコとキミ
「あの、ありがとうございます」
「急に、なに?」
「なんかいろいろ助けてくれて」
「別に、君を助けたわけじゃないし」
「きっと、優しい人なんですね」
「……話、聞いてる?」
会話が微妙に噛みあってない。
少し前にマネージャーとして入部した谷地さんみたいだ。
どっか、会話が噛みあわない。
「動物に優しい人って、根が優しい人だから」
「そんなのわからないデショ」
「絶対、そうです」
ピンク色の傘に隠れた顔は見えない。
でも、なぜか彼女が笑んでるんじゃないか……
そんな気がした。
こんな雨の日に、何やってんだか……