第2章 雨とネコとキミ
「おじさんが近くで動物病院やってるけど」
ぽろっと漏らすと、彼女の顔がぱあっと明るくなった。
おじさんに電話して今から行くことを告げて、2人並んで雨の中を歩き始める。
小っさ……
自分の横に並んで歩き始めた傘を見下ろす。
向かい合って喋ってるときは気にならなかったが、ホント、背が小さい。
188cmある自分と比べれば誰でもまあ小さいが、それでもひときわ小さい。
傘の上が地面と同じように丸見えだ。
「あの……背、高いですね」
彼女も同じことを思っていたらしい。
「まあ……」
「何かスポーツとかやってるんですか?」
「なんで?」
「背が高いから」
「背が高いこととスポーツって関係あるの?」
「なんかゼミの先輩も背が高くて、聞いたらバレー部だっていうから、そうなのかなって……」
「……」
ゼミ……?
もしかして、この人……