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【R18】月島蛍は何色の夢をみるか?

第2章 雨とネコとキミ


「ごめんなさい」

突然、謝られる。

「謝られるようなこと、なにもないけど」

「なんか、迷惑かけたから」

子猫を月島の手から取りあげようとする。

ミイィィィィ

月島の方がいいらしい。

子猫は指にしがみつく。

「なんか好かれてるね」

「嬉しくないケド」

子猫を渡すと、彼女は大事そうに受け取って、また箱に入れた。

「で、どうするの?」

「……わかんないけど……」

言いながら、彼女は箱を持ち上げる。

そして傘を自分ではなく箱の上にさすと、歩き出した。

「とりあえず病院は行った方がいいと思うけど」

「……病院?」

振り返った顔が、月島を見上げている。

「捨て猫拾ったら病院行くのが普通だと思うけど」

「拾うの初めてで……」

「病気とか栄養状態とか、誰か里親探すにしても、最低限確認しなきゃいけないことってあるんじゃない」

珍しくおせっかいなコト言ってる自分にイラっとする。

でもなぜか……

ほって帰ることができなかった。

この猫も。

そして、この彼女も。
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