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笑顔のバッドエンド

第4章 04


 寝起きだからか、ぼぉ……、とした表情で辺りを見渡す。隣にいたサッチと目が合うと、しまった!と言う顔をして、すぐにマルコの隣へと逃げ出した。これにはマルコもサッチも、苦笑いしか浮かべられない。
 本当には、俺以外の人間が苦手だねぃ。と笑ながら頭を撫でられ、は首を傾げた。確かに人間は苦手だが、別に嫌いと言う訳ではない。それなのに他人の目には“嫌い”と映る。なんとも不思議だ。
「なぁ、。お前の誕生日、いつだ?」
「誕生日?」
「そ。明日はマルコの誕生日で、お祝いをしよう、ってなったんだけどよ。そン時マルコが、の誕生日はいつだろうなァ?って気になったんだとよ」
「……わかんない」
 の返事に、マルコとサッチは目を見合わせた。
 わからない。それもそうだろう。だって彼女は妖怪なのだから。そもそも妖怪に誕生日なんてあるのだろうか?そんなことを思いつつも、マルコとサッチが思い付いたことは、おそらく一緒だろう。
 先に口を開いたのはマルコで、態とらしい咳払いを1つしてから、の名を呼ぶ。
 ん?と、が彼を見た。
「なら、お前さんの誕生日を明日にして、一緒に祝わないかい?」
「一緒に?」
「そう!美味いモンたらふく食ってさ!あ、料理は俺に任せろってんだよ!!」
 どうだい?マルコがを見ると、プイッ!顔を逸らされた。
 振られてやんのー!と笑うサッチを一睨みしたが、マルコも内心ドキドキしていた。誕生日なんてどうでもいい、と思われてはいないか、と。しかしはそんなマルコは露知らず、少し頬を赤らめながら彼を見た。
 の姿を見た途端、またマルコの胸は跳ねる。はこんなに、色っぽかったか……?
「いいの?私も、一緒に……」
「っあぁ!もちろんだよい!!」
「一緒に楽しもうぜ!!」
「……っうん!」
 スッと目が細めれ、周りに花が咲くんじゃないか、と思うほどの笑顔をは見せた。
 マルコは彼女の笑顔を見た。途端、
あぁ、好きだ。と自然に思い、自然に笑顔がこぼれた。
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