第2章 水泳部
あー、そーだよね、君はそういう人だよね。
『はぁ、もう分かったよ』
「よぉーし、それじゃあプールへレッツゴー!!」
「ゴーー!!」
そう言って2人で走って行ってしまった。
どうしよう、葉月くんと江のテンションについていけない......
「俺達も行こうか」
『橘先輩といると、なんだか落ち着きますね』
「そうかな?」
『そうです。』
「俺は?」
『え?』
「俺も落ち着かないか?」
びっくりした。七瀬先輩もそういうこというんだ......
隣の橘先輩も驚いた顔で七瀬先輩を見ている
『そんなことないです。七瀬先輩も落ち着きます。』
「......そうか」
しばらく3人で歩いていると、葉月くんと江が立っているのが見えた
『なにやってんの?2人とも』
「プールに来たはいいけど誰もいなくて」
誰もいない?
そんな馬鹿なと思いプールを覗くと、そこには確かに誰もいなかった
『あれ?今日は休みなのかな?』
「そんなはずないんだけどなぁ......」
「......」
「ちょっとハル!無言で服脱がない!」
七瀬先輩......またですか......
「あの、顧問の先生に聞いてみたらどうですか?」
「おぉ!ナイスアイデア江ちゃん!さすがだね、僕には思い付かなかったよ!」
いや、むしろその考えに至らない君の頭が私はとても心配です。
「じゃあ、とりあえず職員室に行こうか」
『そうですね。七瀬先輩、泳ぐのはまた今度にしてください。』
「...」
七瀬先輩は少し不満そうな顔をしたが、渋々言うことを聞いてくれた。
コンコン
「失礼します」
「あら、橘くんじゃない」
職員室に入ると綺麗な女の先生が声をかけてきた
「どうしたの?七瀬くんまで」
「あの、水泳部の見学をしたいんですけどいつなら活動してますか?」
「え?水泳部なら廃部よ?」
「「「『は、廃部!?』」」」
「正確には廃部寸前ね。来週までに5人入部希望者が出ないと廃部になるのよ」
来週までに5人か...
今、入部が決定してるのが葉月くん、橘先輩、七瀬先輩だから、あと2人......
「来週までに5人入部させてみせます!!」
おぉ、葉月すごい気合い入ってんな
それだけ、水泳が好きなんだろうな
「みんな頑張ってね」