第2章 水泳部
「つーことで、来週までに入部希望用紙提出なー」
朝のHR、唐澤はそれだけを言い残し教室から出ていった。
部活か......どうしようかな
「彩ー、部活どーする?」
『うーん、これといってやりたいこともないしな...』
「僕はねー水泳部!」
うわっ!葉月くんいたのか!
「自己紹介でも言ってたよね」
「うん!ハルちゃんとまこちゃんも誘うんだー!」
2人とも部活入ってないんだ...
「だからもう希望用紙出してきた!」
はやっ
水泳部か......七瀬先輩も入るのかな
また、彼の泳ぎが見たいな...
「彩?どうかした?ぼーっとして」
『え?あ、なんでもない』
「そう?」
なんか最近ぼーっとしてしまうことが多い
なんでだろう?
「あれ?ハルちゃんだぁー!」
『え?』
「彩乃、こないだはタオルありがとな。」
『わざわざ届けていただいてありがとうございます。.........ん?なにこれ、サバの缶詰め?』
七瀬先輩が返してくれたタオルと一緒に袋の中に、なぜかサバの缶詰めが入っていた。
「お礼だ」
お礼......
『あ、ありがとうございます...?』
「あぁ」
七瀬先輩は私がお礼を言うと少し、ほんとに少しだけ微笑んだ。
「ハルちゃんが笑ったとこ久しぶりに見たなー」
七瀬先輩って普段あんまり笑わないんだろうか
綺麗な顔だからきっとモテるんだろうな
「あ、ハル!こんなとこにいたのか」
『橘先輩』
「あ、彩乃ちゃん、こんにちわ」
『どうも』
相変わらず優しい顔してんなー
癒されるわー
「ねぇねぇ!まこちゃん!ハルちゃん!これから水泳部の見学に行かない??」
「水泳部の?」
「俺は別にいい」
「そんなこといわないでよぉー!プールでおよげるかもしれないよぉー?」
葉月くんのその言葉に七瀬先輩はピクリと反応した。
「ね?行こうよぉーー!」
「少しだけ行ってみない?ハル」
「......わかった」
おぉ、葉月くん、頑張ったね。
「彩乃ちゃんと江ちゃんもいくでしょ?」
え?私達もいくの?
なんで?
「もちろんです!」
『ちょっと江!?』
「だって、水泳部の人の筋肉がどんなかみてみたいじゃない!!」