第3章 新入部員
《彩乃side》
翌日の放課後――
「ねぇねぇ!彩乃ちゃん!」
いつも以上にテンションの高い渚がニコニコしながら私のもとに駆け寄ってきた
『どしたの、葉月くん』
「あのね!これから水泳部に見学しに来る人がいるんだ」
へぇー、頑張ったじゃんか!
いっぱい声かけてたからなー
『よかったじゃん!これで部員増えるかもね』
「うん!でね、今日の部活、彩乃ちゃんにも来てほしいんだ!」
ん?なんでそーなる?
私関係なくね?
『ちょっとまて、なんで私も?』
「だって僕、彩乃ちゃんに水泳部のマネージャーやってほしいんだもん!」
は?私がマネージャー?
『いや、無理だよ。私、水泳のことなんも知らないし』
「そんなの関係ないよ!とにかく行こ!」
私の抵抗も虚しく、葉月くんは私の手を引いて走り出した
『は?ちょ、嘘でしょ!』
「レッツゴーーー!」
『うわぁああ!速い速いっ!こけるぅうううううう!!!』
――――………
「とうちゃーく!」
つ、疲れた...
てか、前もこんなことあったような...
なんかデジャヴ。
「あれ、彩?どうしたの?」
あれ、なんで江がいんの?
『私は葉月くんに無理矢理連れてこられたんだけど、てか江こそなんでいんの?』
「え?私は水泳部のマネージャーになったから!」
あ、そっか。マネージャーね
うん納得。
.......................................ってマネージャー!???
『い、いつのまにマネージャーに...』
私は驚きを隠せないよ、江。
「ちょっと前から」
『そーなんだ......』
知らなかった......
「まこちゃん、ハルちゃんは?」
「ハルならもう泳いでる......」
あーあ、橘先輩が頭抱えてるよ。
なんか一番苦労してんのこの人だよね
まぁでも、この個性的なメンツまとめられんの橘先輩くらいだからなー
『......橘先輩、ファイトです』
私は遠くから応援してます。