第5章 モデルさんと海常高校
武内監督の怒声がとぶのを横目に見つつ、火神の話を聞く。
「なるほど……。うん、それ、行けるかも」
リコ先輩が頷き、私も頭の中で整理する。
……たしかにその方法なら、火神と黒子くんがいれば、きっと大丈夫だ。
「火神くんもやっと頭冷えたみたいね」
「いや、俺は最初から……!」
「「超ムキになってたよ!!」」
日向先輩と伊月先輩が声を揃える。
前半の火神の様子を思い出して苦笑しつつ、ノートの火神のページに、“冷静に、ムキにならない”と記しておいた。
「……けど、黒子くんと火神くん、二人の連携が大事よ。……できる?」
「まぁ……なん……とか……」
リコ先輩に尋ねられ、どこか歯切れの悪い火神。
一発文句を言ってやろうかと思っていると、
黒子くんの突きが脇腹にヒットした。
「ぐぉ……っ……てめ、なに、いきなり……っ」
……わ、すごい痛そう…………。
「黄瀬くんを倒すんでしょう?」
「……ったりめーだ……」
「ぐぁっ……」
黒子くんの真っ直ぐな言葉に、バツが悪そうに視線をそらしたかと思えば、仕返しだと言わんばかりに脇腹を突いた火神。
やっぱり二人はこうでなくちゃ。
リコ先輩と顔を見合わせて笑った。
そろそろ休憩も終わり。
ボトルを回収して、選手はバッシュの紐等を確認する。
「んじゃまぁ……逆襲よろしく!」
「頑張ってくださいっ!!」
リコ先輩に続いて声をかけた。
「第二クォーター、始めます」