第5章 モデルさんと海常高校
第二クォーターに入って更に海常側の応援の声が大きくなった。
土田先輩に小金井先輩、降旗くん、福田くん、河原くんと
声を合わせて負けじと誠凛を応援する。
相変わらず黄瀬くんのシュートが決まり、
誠凛がそれを必死で追いかける形は変わらない。
開始1分もたたないうちに10点差まで開いた。
マンツーマンのままの海常ディフェンス。
……チャンスは、ある。
日向先輩から伊月先輩へ、そして火神に渡るボール。
「行ける……っ!」
黒子くんとの連携。
火神が涼太を抜いてシュートが決まった。
それがあまりにもかっこよくて、思わず息をのむ。
「よしっ!」
「ナイッシュ!!」
リコ先輩がガッツポーズ。
土田先輩も小金井先輩も嬉しそうだ。
試合はめまぐるしく進んでいく。
ボールを持つのは再び火神。
先程と同じようにボールを後ろへ返し、黒子くんへまわす。
同じ手は食わないと火神側についた涼太だったけど、
そうじゃない。
黒子くんからのパスは日向先輩へと渡った。
「きたーっ!スリーポイント!5点差っ!!」
「日向先輩ナイスですっ!!」
眼鏡のフレームをくいっと上げて、
ぐっと拳を向けてくれた。
さすが誠凛の主将。日向先輩だ。