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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「それでは、これから、誠凛高校対海常高校の練習を始めます」


海常の部員だろうか、審判のよく通る声と日向先輩の掛け声。

ドキドキとわくわくが混ざって、気持ちが高まる。


頑張れ……そう祈るように唱えて、
ベンチからユニフォーム姿の背中を見送った。


「え、あの、始めるんで、誠凛はやく5人整列してください」


審判が迷惑そうに言うけれど、誠凛は既に5人整列している。


…ほんとに黒子くんは影薄いな……。


「あの……います5人」


しばらくして黒子くんが審判に声をかけた。


「「「「うわぁっ!?」」」」

「うっすいなぁ……影」

「あんなんがスタメン……?」


海常レギュラーの驚く声と、私の背後……つまり練習をしている部員たちの不思議そうな声が聞こえた。

黒子くんのパスを見たらこの人達もっとびっくりするんだろうな……そう思うとわくわくしてたまらない。


「あららら……」

「どうしたんだ?」


海常の選手を見て唸ったリコ先輩に、小金井先輩が尋ねる。


リコ先輩みたいに人を見ただけでその人の数値が分かるわけではないけれど、海常の選手がすごいことぐらいは私にも理解できる。……大丈夫かな…………。


ピーーッ


一瞬現れた不安な考えは、ジャンプボールのホイッスルで
かき消された。


ジャンプボールをとったのは海常。


「よし!一本、きっちりいくぞ!」


主将の証である四番のユニフォームを着た選手が
焦る様子もなくボールをつく。


誠凛をそんなに舐めないで欲しいな。


そう思ってシャーペンを握っていると、
ボールが黒子くんの手によって弾かれた。


「なにっ!?」


黒子くんに意表を突かれて驚きつつも、すぐに切り替えて
ボールを追う海常の主将さん。

足の遅い黒子くんはすぐに追いつかれてしまうけれど
次は火神の出番だ。

黒子くんの魔法のパスが渡り、
思いっきりゴールへ叩き込んだ火神。


驚いた表情の海常メンバーや監督さんを見て、
小さくガッツポーズをした。
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