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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


ー 4月26日(日) ー

いよいよやってきた海常との練習試合の日。

救急箱やドリンク等をつめこんだ大きなカバンを肩にかけ、海常高校の門をくぐった。


「うわ、広い……。やっぱ運動部に力入れてるとこは違うねぇ」


そんな日向先輩の声を聞きながら校舎を見回す。


小学校、中学校と公立だったから、私立の学校がどれほどの規模なのか知らないけれど、とにかくすごいと思う。

新設高の誠凛も綺麗で広いと思っていたけれど、
海常はそれ以上だ。


……こんなにたくさんの建物、本当に使うのかって感じ。


「火神くん、いつにも増して悪いです。……目つき」

「うるせぇ」


目の前を歩く黒子くんと火神。

そういえば、朝から火神の目は充血していて
かなり据わっていたような…。


「火神、目薬いる?」


肩……は届かないから背中をぽんぽんと叩きながら尋ねるとぐわっと振り返った火神に睨まれた。


「てめぇ……夜電話でなかっただろ」

「はい……?」


夜……?火神から電話なんてあったっけ?


……あ、でも、今朝携帯を開いたときに知らない番号からの不在着信が入っていたような…………。

ひょっとしてあれが火神!?


「え、まさか、……3時ごろかけてきたのって火神なの!?」

「そうだよ!悪ぃかよ!……ってか電話でろし!!」

「いやいや、3時とか良い子は熟睡してるからね!?」

「仕方ないだろ!ちょっとテンション上がり過ぎてたんだよ!」


そう言い切って火神は私の手から目薬を奪い取った。

テンションあがって寝れないとか
遠足前の幼稚園児ですかあなたは……。

目薬をさす火神を呆れたように見てため息をついた。


「遠足前の小学生ですか」

「なにを!?」


ぽつりと言った黒子くんを、目薬で潤った目で睨んだ火神。

その様子が面白くて、火神の番号を電話帳に登録しながら笑ってしまった。
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