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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


ー4月25日(土)部活終了後ー


明日の試合に向けて、ドリンクのボトルなどの準備を済ませ、部室へと運ぶ。


「あれ……?」


灯りのついた部室から聞こえる誰かの声。


……てっきりみんな帰っていると思ったのに。


首をかしげながらゆっくりとドアを開けた。


………………。


中にいたのは土田先輩、降旗くん、福田くん、河原くん。

四人で円になって話していて、
私にはまだ気づいていないようだ。


……なにしてるんだろ?


「あのー……」


「「「「うわぁっ!?」」」」


いきなり声をかけたのがまずかったのか、
驚かせてしまったようで、慌てて頭を下げた。


「すいません!…………って福田くん大丈夫!?」


顔を上げると福田くんが椅子から落ちていて
慌てて駆け寄る。


「大丈夫……びっくりしただけ……」


眉を八の字に下げ腰をさすりながら立ち上がった福田くん。

ふと四人の中心に置かれたノートが視界に入る。
どうやらこのノートを囲んで話していたらしい。


「なにをしていたんですか?」


ちょうど目の前にいた土田先輩に尋ねる。


「あぁ、明日は海常と練習試合だろ?
そのときの応援のこと考えててさ」

「あっちの学校でやるってことは、
部員の俺たちが頑張らないと!」

「きっと黄瀬目当てのギャラリーで
埋め尽くされるだろうしな……」


シャーペンでノートをこつこつと指しながら言った先輩に、河原くんと降旗くんが続けた。


そっか……だからこの四人が残ってたんだ………。


試合に出ることができなくても
チームのためにできることは必ずある…………。


「あのっ!私も……、私も一緒にやりたいです!」


思ったより大きな声が出て驚く。


私の言葉に1度目を見開いた土田先輩だったけど、
すぐに笑顔になって「頑張ろうな」と言ってくれた。

そんな土田先輩の背中はいつもより大きく見えて、こんなにかっこいい先輩の彼女さんは幸せだろうなと思った。
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