第2章 高校生になりました
昇降口へ着き、自分の下駄箱を探す。
クラスは聞いたのに出席番号を聞き忘れていたことに一瞬焦ったけれど、それぞれに苗字のシールが貼られていて、すぐに自分の下駄箱を見つけることができて安心した。
…………………………なのに。
「なんで私が一番上なの……っ」
背伸び……と言うより爪先立ちまでしているのに
あと一歩のところで届かない。
「ほっ…………とうっ……」
「……貸してみ」
綺麗な声と共に後ろから現れた手が私のローファーを取り、下駄箱の中にしまってくれる。
「あ……ありがとうございますっ!」
笑顔で振り返ると、それはそれは美人なお方がいた。
思わず固まってしまう。
小顔でショートカットがすごく似合っているし、
手も足もすらっと細くて長い。
身長だって高いし、大人びた顔立ちで、モデルさんみたいだ。
「ねぇ、あなたも1-Bなの?」
私と視線を合わせるように、屈んでくれる美人さん。
行動まで美しすぎます……。
「……へ?え、あ、……って、 “あなたも”ってことは…1年生……?」
「もちろん!」
間抜けな顔で質問した私に
眩しい笑顔で答えてくれる美人さん。
ちんちくりんな私とはいろいろと違いすぎて言葉が出ない。