第2章 高校生になりました
「きょ、巨人…………」
髪が赤くて目つきが悪くてなんかもうでっかくて…………
とりあえずいかつい巨人が立っていた。
「あ”ぁ”?…………お前、名前は?」
私を見下ろしたまま尋ねる赤髪の巨人。
「へ……?」
「だーかーらー!名前だっつーの!!てめぇの身長じゃ見えねぇんだろ!見てやるから名前言え!」
「はひっ!あ、え、えっと、新沢 奏ですっ」
「ん、新沢 奏な……」
私の名前を復唱すると、クラス分け表を見る赤髪の巨人。
「1-Bだとよ」
それだけ言い残して昇降口へと歩いて行ってしまう。
「あ…りがとうございます……」
背中に向けて小さく呟く。
……なんか…………うん。すごい人だった……。
大きく息を吐くと、肩の力が抜けた。
先輩、だったのかな?
めっちゃ背高かった……。
ぼんやりと考えながら一息つき、
自分も昇降口へ向かうことにした。