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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「ったく、なんだよ。俺のセリフとんなよ黒子」

「冗談苦手なのは変わってません。本気です」


不敵な笑みで言った火神に黒子くんが続けた。

それを鼻で笑った黄瀬涼太くん。


……もう帰るかな?
それを見計らって体育館に入りたい…………。


「ところでー……」


黄瀬涼太くんの視線がこちらへ向いた気がして
慌てて顔を引っ込めた。


「あそこからこそこそ見てるのは誰の妹さんっスか?」


妹!?
彼の発言で体育館がざわつく。


「あれ?水戸部くんの妹さん、見学に呼んだの?」

「ううん。水戸部は違うって言ってるよー?」


このままじゃまずいとわたわたしていると、
リコ先輩と小金井先輩が話している声が
徐々にはっきり聞こえてきた。

こっちまで近づいてきてる!

どうしよう、え、どうしよう。


「新沢さん。なにしてるんですか?」

「うわぁっ!?」


逃げようとしていたところに背後から声をかけられ飛び跳ねる。


「く、黒子くん……いつの間に……?」


ゆっくり振り返ると立っていたのは黒子くん。

他のメンバーもぞろぞろと体育館から出てきている。

その中にリコ先輩の姿もあって、慌てて頭を下げた。


「あの、おくれてすいませんっ!」

「大丈夫よ。黒子くんから聞いたし……」

「あっれー?誠凛の制服っスね。小学生かと思ったっス」


リコ先輩の声に被せるようにしてへらりと笑う声が聞こえて声の主を睨みつける。


「ちょ、にらまないでくださいっスよ~。……って、キミ……新沢 奏って名前っスよね?そうっスよね!!」

「……そうですけどなにか問題でも?」


すごい勢いで迫ってくる黄瀬涼太くん。

……せっかくバスケうまくてすごいと思ったのに訂正。
この人むかつく。嫌い。

なに!?小学生ってなに!?

リコ先輩も他の先輩方もめっちゃ笑ってるし!
降旗くんたちだって肩震わせてるし!!!


イライラしながら黄瀬涼太くんを睨み続ける。


「うわー!こんなとこで会えるとは!一緒に写真撮ろっス!」

「……は?」


文句を言ってやろうと口を開きかけたところで
まったく意味のわからないことを聞き、
睨むのも忘れて間抜けな声が出てしまった。
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