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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


ーその日の部活ー

第三者side


「……お?あれ?これって、黒子が帝光にいた頃のじゃん?」


制服から練習着に着替えた小金井が、誰のものか分からない月バスを手にとって言った。


「おー、ひとりひとり特集組まれてるよ。
黒子はー…………記事ねぇな」


隣からのぞき込んだ日向がページをめくっていくが、
キセキの世代の特集に、黒子の名前はない。


「シックスマンなのに取材こなかったの?」


小金井が黒子に視線を送りながら尋ねると、
やっと練習着に着替え終わった黒子が振り返る。


「……来たけど忘れられました」

「「「切ねぇ……」」」


それまで蚊帳の外だった伊月も加わり口を揃えて言った。
黒子はさほど気にしていないようで、話を続ける。


「そもそも、僕なんかと5人は全然違います。
あの5人は本物の天才ですから……」


そう言った黒子の表情が僅かに寂しげだったことを、
部室にいた2年生は気づいていただろう。

心なしか重くなった空気を一気に軽くするように
部室のドアが軽快に開き、息を切らした福田が入ってきた。


「戻りました!監督戻りました!!
練習試合、オッケーだったみたいっす!」


部室にいたメンバーの視線が福田に集まる。


「どこと組んだんだろうな?」


日向が首をかしげて呟いた。


「さぁ……?でもなんか、スキップしてましたけど……」

「スキップしてた!?」


福田が答えた途端、日向が前のめりになって声をあげた。

日向に視線が集まり、空気が重くなる。


「おい……全員覚悟しとけ……。あいつがスキップしてるってことは……次の試合相手、相当やべぇぞ……」


そう言った日向の声は微かに震えていた。
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