第5章 モデルさんと海常高校
机に伏せてしばらく黒子くんをガン見していた真実が
ガバッと顔をあげて聞いてきた。
「ねぇ、黄瀬涼太って知ってる?」
「黄瀬涼太……?」
どっかで聞いたことあるような……。
なんだっけ…………。
「あ!月バスで見た!キセキの世代の……急成長を続けるオールラウンダー……だっけ?たしか黄色い頭の……」
「月バス?うーん……バスケのことはよく分からないな……。モデルのキセリョって言ったら分かるかな?」
モデル……キセリョ…………。
…………あ!
「この前の、真実が載ってる雑誌に一緒に写ってた人?」
「そう!正解!事務所が一緒で、昔からまとわりつかれててさ、私が誠凛だって知ったら、“黒子っちと一緒とかずるいっス〜”とか言ってわめいてたから……あいつが褒める黒子くんってどんな子かと思って」
「そっかー……」
確かに黒子くんは一見文化部そうだし、
バスケって雰囲気じゃないもんなぁ。
黄瀬涼太……か。モデルもやっててバスケもうまいなんて、きっとモテモテなんだろうなぁー……。
「なになに?奏ってば、黄瀬みたいなのがタイプなの?」
うさぎさんりんごをさしたフォークをびしっとこちらに向けて
にやにやしながら言う真実。
「うーん……現代の女の子たち目線で言ったらかっこいいんだろうけど……私はもっと大人の色気がある人がいいなー。あ、大沢た○おさんとか」
「あんた年いくつよ!」
容赦ない真実のツッコミに反抗する。
「かっこいいじゃーん!」
「さすが奏……期待を裏切らない……」
爆笑しながらうさぎさんりんごを食べる真実を見たら
ついこちらも笑ってしまった。
やっぱり真実と一緒にいると話題が尽きなくて楽しい。