第4章 本入部
「あの!俺、彼女が欲しいんですけど」
「却下だっつーの!」
懲りずにアピールする降旗くん。
…どんだけ彼女欲しいの…………。
ため息をついていると、福田くんが動いた。
「1-D、福田寛!自分は人のためになることが好きなので、先輩が助っ人募集というのを聞いて、迷うことなく入部を決めました!」
「まじか…………」
伊月先輩のダジャレを間に受けるなんて……。
そんな福田くんと入れ替わりで、降旗くんが前に出た。
「1-D、降旗光樹!好きな子が、俺がなにかで一番になったら付き合ってくれてもいいって言ってくれてる!だから俺は、バスケで一番になろうと思う!」
言いきった降旗くんはすっきりした表情。
「これでだめなら俺、入部できなくてもいいっす」
「ある意味感動した!…………次は?」
私たちを見回すリコ先輩。
もう全員言い終わったんじゃないかな?
「すいません」
「ひ……っ」
いつの間にかリコ先輩の背後に回っていた黒子くん。
そうだ、黒子くんがまだ言ってなかった。
「僕、声張るの苦手なんで、これ使ってもいいですか?」
黒子くんの手には、どこからだしたか分からない拡声器。
リコ先輩に促されるまま校庭の方を向いて、
息を吸うのがわかった。
「こらーっ!またかバスケ部!!」
聞こえてきたのは黒子くんの声じゃなくて
生活指導の先生の声だった。
驚いてドアを振り返ると、すごい形相の先生。
「くっそー……もうちょっとだったのに!」
悔しそうにリコ先輩が言ったあと、
7人とも正座でみっちりお説教を受けましたとさ。