第4章 本入部
「次はー?早くしないと先生来ちゃうよ?」
リコ先輩が言うと、恐る恐る降旗くんが手をあげた。
「あのー……彼女ほしいとかじゃ、だめですかね?」
「却下♡」
笑顔のリコ先輩によって瞬殺。
「ほかには?」
「……じ、じゃあ、僕が!」
「おし!」
「行け!」
勇気を出した河原くんの背中に向けて応援する
降旗くんと河原くん。
私も心の中で応援する。
「1-A、河原浩一!東京都中央区出身。子供の頃は病弱で、スポーツどころじゃありませんでした。それが変わってきたのは、幼稚園の……」
……話長くね…………?
「小学5年のときには、林間学校へ行ってみんなと見たオールスターの中継が忘れられません。あのとき自分は、はじめてバスケットをかっこいいなと思いました……」
…………リコ先輩がいらいらしてきてるーっ!
河原くんはやく!早く終わらせて!
「中学でバスケ部に入ったときは、まともにプレーできず、足引っ張ってばかりで、ひたすら自分が惨めでした……でも!(((ドンッ
リコ先輩の蹴りが河原くんにヒットした。
顔面から転んで痛そう……。
ここで絆創膏出せるほど女子力が高くないんだごめんね。
「次っ!」
完全に目がすわっているリコ先輩が声をあげる。