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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第4章 本入部


8時40分の少し前、本入部届けを提出しに来た一年生が集まった。


私たち1年生を前にして、仁王立ちしているリコ先輩。


「ふっふっふ……待っていたぞ!」


いい感じに風がふいてなんだかかっこよくなっている。


「アホなのか……?」

「決闘?」


呆れた様子で言った火神の後の黒子くんの呟きに
不覚にも笑いそうになった。


「つーか、忘れてたけど月曜って、
……あと五分で朝礼じゃねぇか!!」


火神の声は無駄によく通るからうるさい。

そんなに騒いだら下にいる先生に怒られちゃうんじゃ……。


「ほら!とっとと受けとれよ!」


そう言ってポケットから若干くしゃっとした本入部届けを出した火神だけど、やっぱりリコ先輩は受け取らない。


「その前にひとつ言っておくことがあるわ」

「「「え?」」」
「あ”?」
「「ん?」」


全員の視線がリコ先輩に集まる。


「去年、あいつらに監督頼まれたとき、約束したの。全国目指してガチでバスケをやること。……もしあんたたちにその覚悟がなければ、同好会もあるからそちらへどうぞ?」


その言葉を聞いて、思わず小さく笑ってしまった。

さすがリコ先輩だ。中学のときから変わってない。


「はぁ?そんなんあるに決まってんだろ」

「あんたらが強いのは知ってるわ。けど、それより大切なことを確認したいの。どんだけ練習を真面目にやっても、“いつか”だの“できれば”だのじゃ、いつまでも弱小だからね。具体的かつ高い目標と、それを必ず達成しようとする意志がほしいの」


火神の言葉を遮るようにして言うリコ先輩。

一度言葉を区切った後、校庭の方をびしっと指さしてつづけた。


「んで今!学年、クラス、名前、今年の目標を、ここから宣言してもらいます!さらにできなかったときはここから、……全裸で好きな子に告ってもらいます」


「「「えぇぇぇ?!」」」
「は?」
「え?」
「冗談でしょ……」


え、いや、まさか、冗談でしょ……?
いやでもリコ先輩笑ってないし……。
……日向先輩が言ってた“頑張れ”ってこのこと!?

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