第4章 本入部
「奏ちゃん、本気よね?」
「はい……?」
「これは、月曜8時40分の屋上でしか受け取らないから。
それ以外は受け付けないからよろしくね?」
「え……?」
「月曜8時40分、本気でやる心の準備をしてきてちょうだい!」
「はい……?」
楽しそうに微笑むリコ先輩。
この笑顔はなにかをたくらんでいるときだ。
困惑している私をよそに、
学食を食べ終えたらしい日向先輩が口を開いた。
「それ今年もやんのかよ……」
「もちろん!」
「マネージャーのくらい受け取ってやれば?
中学のとき一緒だったんだろ?」
「いくら可愛い奏ちゃんだって容赦しないわよ?」
「げ……まじかよ……。新沢さん頑張れ……」
「あ、はい……ありがとうございます……?」
会話の内容が掴めない。
それより月曜8時40分ってなにかなかったっけ……?
「まぁまぁ!来てからのお楽しみ〜」
はてなマークいっぱいの私に、
リコ先輩はウインクしながら言った。
その後、日向先輩からは憐れむような視線を送られ、
リコ先輩からはきらっきらのスマイルを向けられ、
月曜8時40分、ろくなことがないのを確信した。
それより月曜日……なにかあった気がするんだけど……。
まぁ、思い出せないってことは大事なことじゃないよね。
しばらく部活のことを話していたけれど
あと10分で予鈴が鳴る時間になったので、
先輩に挨拶をして、食堂をあとにした。