第3章 部活に入ろう
どうって聞かれても………………。
ここはなんて答えるべき?
そもそもどうしてこんな質問を?
考えを巡らせるけど答えなんて出ない。
どう答えたものかと視線をさ迷わせていると
黒子くんが小さく笑った気がした。
「少し質問が意地悪すぎましたね。気にしないでください。」
「え、あ、うん……?」
黒子くんがますます分からない。
まじまじと黒子くんを見つめるけど、表情が読めなくて困る。
しばらくその場で固まっているとふいに両手をひかれる感覚。
視線を下ろすと、キラキラした目の広樹と杏樹がいた。
「あのお兄ちゃんすごいよ!!」
「ぼーるがまほうみたいにうごくの!!」
興奮が冷めない様子の二人の頭を撫でながら
視線を火神くんへとうつす。
「遊んでくれてありがとう」
「べつに……」
首に手を当てそっぽを向く火神くん。
小さい子供好きなのかな?
心なしか頬が赤くて、小さく笑ってしまう。
「火神くん、君のツンデレとか需要ないのでやめてください。」
「あ”?つんでれ?なんだよそれ」
「君に話した僕が馬鹿でした」
コントみたいな二人のやりとりに笑ってしまう。
さっきの険悪な雰囲気が嘘みたいだ。
きっと、お互いがバスケに本気だから、
あんな風にぶつかり合えるんだろうな。
なんだか羨ましい。
帰り際に、広樹と杏樹がまたバスケを教えてと火神くんに抱きついたら、「気が向いたらな」 なんて言って優しそうに笑っていた。
思わずかっこいいなんて思っちゃったのは内緒だけど。