• テキストサイズ

平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第3章 部活に入ろう


「……最後に一つ忠告してやる。お前バスケやめた方がいいよ。努力だのなんだのどんな綺麗事言っても、世の中に才能ってのは厳然としてある。お前にバスケの才能はねぇ」


その言い方はさすがにひどいんじゃ……。

つい口を挟みたくなるのをぐっとこらえる。


「それは嫌です」


私の不安も他所に、真っ直ぐに火神くんを見て
黒子くんは言った。


「あ”?」

「まず僕、バスケが好きなので。それから見解の相違です。僕は強いとか弱いとかどうでもいいです。」

「なんだと?」

「僕は君とは違う。僕は……影だ」


………………?

なに!?影って何!?
厨二病にしか見えないよ黒子くん!


そのまま動けずにいると、広樹が私の手を離して
火神くんの方へ走っていってしまった。


「広樹っ!」


大きな声を出してしまったと気づいた時にはもう遅くて、
火神くんと黒子くんの視線がこちらに向いていた。


心拍数が急激に上がる。

冷や汗が止まらない。


「お兄ちゃん!お兄ちゃんばすけじょーずだね!」


「…………………………」


「「……………………」」


広樹が火神くんの前で跳ねながら
先程の感動を伝えている声がすごく遠い。

杏樹は焦ったように私と広樹を交互に見ている。

私は……帰りたい気持ちと時間を戻したい気持ちで
いっぱいだった。

/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp