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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第3章 部活に入ろう


広樹と杏樹に手をひかれるままバスケットコートにつく。

暗くてよく見えないけど、
身長差のある二人が1on1をしているようだ。


あれかな、兄弟仲良くバスケかな?

どんな人がプレイしているのか見たくて目を凝らす。


……………………お?


あの大きい方の人って………………。


「奏ちゃん……おっきいひと……すごい……」


広樹が小さな声で言ったけれど、反応できない。


だってあれは……


「火神くんと……黒子くん……?」


乾いた声しか出ない。


「奏ちゃん?大丈夫……?」


杏樹が心配そうに腕を引いてくれるけど
とりあえず頷くことしかできなかった。


こんなところに火神くんがいるなんて思わなかったし、
まさか黒子くんまでいるとは……。


し、しかも…………失礼だけど…………
黒子くんめっちゃ弱い!!!!


「ふざけんなよてめぇ!話聞いてたか!?どう自分を過大評価したら俺に勝てると思ったんだおい!︎」


突然怒鳴る火神くんの声に、杏樹と広樹の肩がはねる。

たしかに火神くんが怒鳴るのが分かってしまうほど
黒子くんは弱かった。


「すげぇいい感じに挑んできやがって!」

「まさか。火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。やる前から分かってました。」

「けんか売ってんのかおい!どういうつもりだ!」


黒子くんの胸ぐらを掴む火神くん。

杏樹の私の手を握る力が強まった。


「火神君の強さを直に見たかったからです」


たんたんと答える黒子くん。
学校とは全然イメージが違う。

負けるとわかってやったってこと……?


「はぁ!?…………どうかしてたぜ俺も。
匂いもしねぇほど弱いだけかよ。あほらし……」

「あの…」

「あー、もーいいよ。弱ぇ奴に興味ねぇから」


黒子くんが息をのむのがわかった。

火神くんが帰り支度をはじめる。


このままここにいれば覗いていたのがばれるのに、
このまま知らんぷりして家に帰ればいいのに、
私の足は縫い付けられたように動かない。
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