第3章 部活に入ろう
一方そのころ…………
奏side
「奏ちゃん奏ちゃん!
しゅわしゅわのみたーい!」
「えー!!あんちゃんだけずーるーいー!
ひろくんもしゅわしゅわのみたいー!」
私の足元にひっついて上目遣いで見上げてくる
あざとi((……むかつk((……可愛い可愛い妹と弟。
事の始まりは夜ご飯の少し前。
広樹と杏樹は毎週見ているアニメが終わると
2人して炭酸が飲みたいとだだをこねはじめた。
外に出るのは面倒だから嫌だ。
ここはどうにか丸め込まないと…………。
2人と目線を合わせるように屈んで言う。
「うーん……お母さんそろそろ帰ってくるだろうし、帰りに買ってきてもらおう?それまでなにかして遊ぼうよ!」
よし、我ながらばっちり。
……が、広樹も杏樹も不満そうな顔。
「だってね、みーちゃんはきょうのむってね」
「たーくんも、ゆってたもん」
みーちゃんとたーくん誰だよ……。
どうにか他の物でつれないかと冷蔵庫を漁る。
「……あれ?夜ご飯が……?」
冷蔵庫の中には、3人分のオムライス。
こうやってご飯が作り置きしてあるときは
決まってお母さんとお父さんの帰りが遅いときだ。
………………と、いうことは……?
静かに冷蔵庫を閉じ、ひと呼吸おいてから振り返る。
「おぉう………………」
にっこりスマイルの広樹と杏樹。
「あーっもう!分かったよ分かった!自販機行くよ!」
「「はーいっ!」」
財布を手に取りぶっきらぼうに言うと
2人揃って元気な返事。
こっそりため息をつきつつ、
2人を連れて家の近くの自販機に行くことにした。