第3章 部活に入ろう
「……なんだよ?」
火神くんが不機嫌そうに言う声。
おそらくリコ先輩に言ったのだろうけど、
私もガン見してしまっていたから、慌てて背を向けた。
心臓が煩いのをなんとか抑えて考える。
あのリコ先輩が黙っていたんだ、
きっと火神くんはすごいんだろう。
身長と髪型からして只者じゃないとは思っていたけれど……。
もう一度見たくて後ろを振り返ろうかと考える。
「監督!なにぼーっとしてんだよ!!」
日向先輩の声に、私もリコ先輩も我に返った。
「あっ!ごめん!えっ……と………」
「全員見たっしょ。火神でラスト」
まだぼーっとした様子のリコ先輩につっこむ日向先輩。
「あ、そう……?あれ?黒子くんて、この中にいる?」
「あぁ、あの帝光中の……」
リコ先輩と日向先輩の言葉に、
私も振り返って一年生の列を見る。