第3章 部活に入ろう
ところで……。
男子たちがシャツを脱ぐのなら私はどこにいれば……?
どうしたものかと体育館を見回していると、
ちょんちょんと肩を叩かれた。
振り返ると、水戸部先輩と小金井先輩。
「俺たちと一緒に資料見てよう、って水戸部が言ってるよ」
小金井先輩に言われて水戸部先輩を見上げれば
柔らかく微笑んでくれた。
「ありがとうございます」
お礼を言ってリコ先輩と1年生に背を向けるようにして
先輩方の輪にお邪魔させていただく。
「キミ、ちょっと瞬発力弱いね。
バスケやるならもうちょい欲しいな。
……キミは体硬い。風呂上がりに柔軟して!」
「「マジ…? 合ってる……」」
リコ先輩の声に耳を澄まし、改めてすごいと感じる。
「あいつの父親はスポーツトレーナーなんだよ。データをとってトレーニングメニューを作る、子供の頃から毎日その仕事場で肉体とデータを見続けてるうちについた特技。体格を見ればあいつの目には身体能力が全て数値で見える」
ひとりずつ体格を指摘するリコ先輩をよそに説明する日向先輩。
「「凄ぇ……!!」」
1年生が息をのむのが分かる。
リコ先輩の声がやみ、もうそろそろ終わったかと思い振り返ると、リコ先輩は火神くんの身体をマジマジと見ていた。
火神くんの引き締まった筋肉が目に入り、思わず固まる。