第3章 部活に入ろう
私が座ってしばらくすると
リコ先輩と伊月先輩が前の方で話し合いはじめた。
もうそろそろはじまるのかな?
呑気に考えながら時計を見ていると、
近くに腰をおろしていた男子生徒たちが
なにやらこそこそと話す声が聞こえる。
(……なあなあ、あのマネージャー可愛くね?)
(2年だろ? けど、もうちょい……あれだよな…)
(なんつーか、色気が……ほしいよな)
「ダアホ!違うよ!!」
「「「痛っっ!!」」」
話していた男子たちの後頭部を殴る日向先輩。
あれ絶対本気で殴ったよ……。
“なんつーか、色気が……”の部分でリコ先輩に殴られたからって八つ当たりはよくないぞー。
あ、でもリコ先輩は楽しそう。ならいいや。
「男子バスケ部監督、相田リコです。よろしく!」
「「「えぇぇっ!?」」」
笑顔のリコ先輩の言葉に、驚いた様子の1年生。
「あっちじゃねーの?!」
そう言って、リコ先輩の後ろに座る竹田先生を指さす。
「あちらは顧問の竹田先生」
「まじかよ…………」
私も昨日それを知ったときはほんとに驚いた。
リコ先輩が監督だってことも、竹田先生が顧問だってことも。……だって竹田先生、囲碁とか将棋とかの顧問してそうだし。
「さぁ竹田先生の紹介もすんだところで……
まずはお前達、シャツを脱げ!」
「「「は………………?」」」
「「「なんでぇぇ!?」」」
1年生全員ドン引き。
逆にリコ先輩は不敵な笑み。
そりゃあそうだよね……。
いきなり2年生の先輩、しかも女が監督とか言い出すし、しまいにはシャツ脱げとか逆セクハラ言い出すし……。
中学の頃からのリコ先輩を知る私は、苦笑いで見守る。