第3章 部活に入ろう
「ね、ねぇねぇ、随分仲が良さそうだけど、
二人は中学が同じだったの?」
尋ねると、睨み合っていた二人の視線が再び私に向けられる。
「「仲良くない!」」
息ピッタリじゃん……。
ここで笑ったりつっこむと飛び火しそう(既にしてる)だからそこは控えておく。
「はぁ……。このバ火神とは、昔家が近かったの。
そのころからどうにも合わなくってさ。
顔見るだけでイライラしてくる」
心底嫌そうに話す真実。
「こっちだってムカつくっつーの。
てめぇと同じクラスとかマジついてねぇ」
気だるそうに続ける火神くん。
この2人、いろんな意味でお似合いだと思うんだけどなぁ……。
しばらく睨み合っていたみたいだけど、
火神くんが机に突っ伏して眠り始めて
ひと段落したようだった。
それを横目で見て、真実が私の前の席に腰掛ける。
そこで、昨日話そうと思っていたことを思い出した。
「あ!私ね、真実が出てる雑誌買ってみたの!」
昨日の帰り道、本屋に立ち寄った時にふと真実の話を思い出して、普段は滅多に買わない、いかにも女子高生らしい雑誌を買ってみた。
そのことを思い出して、机の上に雑誌を出す。
「ちょ、やめてよ恥ずかしい!!」
慌てて取り上げようとする真実から雑誌を守る。
「私、普段は雑誌とか買わないからよく分かんないけど、真実すごいね!すごいキラキラしてて、かっこよかった!改めて真実はモデルさんなんだって実感しちゃった!今目の前にいるのが夢みたい!!」
感動を伝えたくて、つい大きなジェスチャーをつけてしまう。
「わかったわかった。とりあえず落ち着いて奏」
まるでペットの犬に “待て” とでも言うかのように諭されて、うずうずしながらも手を膝の上に置く。
「よろしい。……そこの私の写真にさ、名前書いてあるでしょ?なんて書いてある?」
真実に尋ねられて、写真に目を移す。
「えっと……“MASAMI☆”って書いてある!」
「そうだね。じゃ、今奏の前にいるのは?」
「真実でしょ……?」
聞かれていることが分からなくて首を傾げる。