第3章 部活に入ろう
第三者side
一方その頃受付ブースでは、2年生で監督の相田リコと、
同じく2年生で主将の日向順平が、集まった入部届けの枚数を数えながら話していた。
「あともうちょい欲しいかなー」
「10人いかないかー…」
「これから、これから!新設高なんだからさ、これでインターハイ、ウインターカップと勝ち進めば、来年は大変な事になるよ?」
「主将の俺に対するさりげないプレッシャーか」
「日向くんそんなに繊細だったんだー?」
「頑張りますよ頑張りますとも……」
がっくりと項垂れた日向と、心底楽しそうな相田。
「さーて、勧誘の方はどうかなー?
頑張って有望そうなのつれてきてよねー?」
相田が辺りを見回すと、新入生を連れた(連れてこられた)小金井が半泣きでやってきた。
「来ました……新入生……」
「バスケ部ってここか?」
尋ねながら小金井を差し出す火神。
相田と日向が唖然と見上げる。
「入りたいんだけど、バスケ部」
彼が再び口を開き、小金井を下ろし(落とし)ながら
強引に椅子に座ると相田が慌てて答えた。
「歓迎、大歓迎!ちょっと待って……」
紙コップに入ったお茶を差し出し、説明をはじめる相田。
撃沈している小金井はそっとしておこう。
「知ってると思うけど、うちは去年できたばっかの親切高なの。上級生は2年だけだから、キミみたいに体格よければたぶんすぐに……」
「そういうのいいよ。名前書いたらすぐ帰る」
「「………………。」」
先輩に対してその態度はなんだ。
火神の様子に日向も相田も言葉が出ない。