第3章 部活に入ろう
「あら?志望動機はなし?」
相田が驚いたように尋ねる。
「べつにねぇよ。
どうせ日本のバスケなんて、どこも一緒だろ」
そう告げると本当に名前だけ書いて帰ってしまった。
「怖ぇ……あれで高1……」
完全にびびっている様子の小金井。
「なかなかの逸材だな」
いつの間にか戻ってきていた
伊月の言葉に振り返ると、水戸部も戻ってきていた。
「火神大我……。中学はアメリカか。本場仕込みだな……」
日向が火神の書いた入部届けを見ながら呟いた。
「どっちにしろ只者じゃなさそうね」
日向の言葉に相田も頷く。
「……あ、これ、集め忘れてる入部届け」
小金井が机に残っていた1枚の入部届けを相田に差し出した。
「あ、ごめん。えーっと、黒子テツヤ……。あれ?ずっと机番してたのに覚えてないなー。…………ん?て、帝光バスケ部出身!」
大きな声を上げる相田に、日向も聞き返す。
「帝光って……、あの帝光か!?」
「そうよ!︎ 今年1年ってことは‘’キセキの世代”!!
うわー、なんでそんな金の卵の顔覚えてないんだ私ー!︎」
相田は頭を抱えて嘆きつつも、
今年の1年生への期待を隠せずにいた。