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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第7章 VS お父さん



くるはずだった痛みはやってこなくて、代わりに腕を掴まれている感覚があった。


すぐに支えてもらったことに気がつき、お礼をしなければと振り返る。



「か……がみ……?」

「んだよ?マヌケな顔して」

「いや、ありがと……」

「気にすん「奏ちゃぁぁん!!」

「ぐえっ!!」


反対の腕を引かれ、火神の腕がするりと離れていく……が、そんなことを考える間もなくぎゅっと抱きしめられた。

覚えのある匂いがふわりと鼻をかすめる。


「リコ先輩……?」

「もう!迷子になって誘拐されてたらどうしようかって心配してたんだからね!!」


抱きしめられたまま素直にリコ先輩の言葉を聞く。

ごめんなさい確かに迷子でした。
でもさすがに誘拐なんてそんな大袈裟な……。

思っていることが顔に出ていたのか、リコ先輩に溜息をつかれて両頬をぐいーっと引っ張られる。


「いひゃい!いひゃいれふ!!」

「奏ちゃんは小さいんだから危ないの!春先はそういうちょっと開放的になるような人が多いんだからね!!?」


小さいと言われたことを否定しようと思ったけれど今言っても火に油を注ぐだけなので、素直に頷いておく。

大袈裟だとは思ったけれど、心配してもらえたことは素直に嬉しい。

緩められた腕から抜け出して、遅れてすみませんと頭を下げた。


「迷子になったらすぐ連絡するのよ?日向くんたちに走って迎えに行かせるから!」

「あ、ありがとうございます……」


笑顔で頭を撫でてくれるリコ先輩に苦笑いで曖昧な返事をかえす。


「さ、マネージャーとしての仕事、きっちりこなして頂戴よ?」

「もちろんです!」


大きく頷いて誠凛のベンチへと向かった。

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