第7章 VS お父さん
ーーゴンッ!!
「oh!!」
「わわっ!!」
ぼんやりと担がれていると、なにかがぶつかるような音と体の揺れではっとした。
ずっと揺られていたせいでいくらか気持ちが悪いのを我慢しつつ、お腹に力を入れて僅かに顔をあげた。
ボールの音……体育館に着いたのか。
「ニッポン低イ。ナンデモ……」
そう呟いて空いているほうの手でおでこをさするお父さん。
そのままコートの方へ歩いているようだけど、前が見えないからどんな状況なのか分からない。
「……ったく、なにやってんだ」
呆れたようにお父さんに話しかける声。
新協学園の監督さんだろうか。
……って冷静に分析してる場合じゃない。
誠凛の人だれか気づいてぇぇ!!!
声をだして助けを求めたいのはやまやまだが、さっきまでの揺れで酔ってしまって、今お腹に力を入れたら朝ご飯を出す自信しかない。
「すいませーん、遅れましたァ」
「なんでそこだけ流暢な「うわぁ!?」
そのうち降ろしてもらえるだろうとぼんやり話を聞いていると、突然腰を掴まれて体が浮いた。
何事かと考える暇もなく地に足がつく感覚。
頭はまったく働いていなかったけれど、反射的に足に力を入れた。
しかし、頭に血が上っていたのと気分が悪いのとでうまく立つことができず、身体が倒れていく。
為すすべもなくやがてくるだろう痛みにぎゅっと目をつぶった。
「おっと………ったく、なにやってんだよおめぇは」
「え……」