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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第7章 VS お父さん



「このパパンバイ……んん、なんだっけ?」

「パパンパ?」

「パパガンバルンバだろ?」

「いや、え、なんて?」

「パパガンバルンバ。」

「パパンパじゃないの?」


日向先輩が尋ねたのを皮切りにざわざわしだす体育館。

静かにしないと話が進まないと思いつつも、小金井先輩のパパガンバルンバがつぼってそれどころじゃない。

笑いをこらえて肩を震わせながらリコ先輩の様子をうかがう。


「はぁ……話が進まん。黒子くん、なんかあだ名!」

「んー…………じゃあお父さんで」


ため息をついたリコ先輩に無茶ぶりされてそう答えた黒子くん。

なるほど、パパ=お父さんか。


「はっ……お父さん!……お父さんの会社が お、倒産」


伊月先輩のギャグにふきだした火神や先輩方を見て、
私もつられて笑ってしまう。


「えーっと、じゃあそのお父さんを…………聞けっ!!」

「「「「……っ!」」」」


まだクスクスと笑っていたけれど、
リコ先輩の声で全員の背筋がぴんと伸びた。

静かになった私達をひと睨みして再び口を開くリコ先輩。


「特徴は背だけじゃなくて、手足も長い。とにかく高いの一言に尽きるわ。戦力アップに外国人選手を留学生として入れる学校は増えてる。次の相手の新協学園も、去年までは中堅校ってかんじだったけど、たった一人の外国人選手の加入で完全に別物のチームになってるわ。届かない、ただそれだけで誰も彼を止められないのよ」

「今回ビデオに撮ってきた練習試合の新協学園の相手校にも約185cmの選手が2人いましたが、彼……お父さんをなかなか止められずにいました」


リコ先輩の後に続けて言えば、部員が息を呑むのが分かった。


「だからって、なにもしない訳には……!」

「だれがそんなこと言った?」


火神の言葉に不敵な笑みで返したリコ先輩。
ひと呼吸置いてから、先輩の視線は1年の2人に向けられた。


「という訳で火神くんと黒子くん、2人は明日から別メニューよ」


そう言われると、バスケをするときのあの表情をする火神。
つられて私の頬がゆるんだ。


「予選本番は5月16日!
それまで弱音なんてはいてる暇はないわ!!」

「「「「おう!」」」」
「はいっ!」


リコ先輩の言葉に全員で頷き合った。

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