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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第6章 売店という名の戦場?


ー屋上にてー


「買ってきました……」


ぼろぼろの河原くんがパンの入った袋を
先輩方に差し出す。


「お疲れー、ありがとう!……はい、ジュースあるよ」

「これ、例の…………」


袋を受け取らずに笑顔でジュースを差し出すリコ先輩に
戸惑いの表情を見せる河原くん。


「あぁ、いいよ。お前らで食べな」

「え、いいんですか……?」

「いいって。遠慮するなよ」


伊月先輩の言葉に福田くんが聞き返せば、
日向先輩が優しく言った。


先輩方……最初からこのつもりで……?


探るようにリコ先輩の方を向けば、
小さくウインクを返された。




「じゃあ……順番に…………誰からいく?」

「ここは……レディーファースト?」

「じゃあ新沢さんから……」

「いやいや、私はなにもできなかったから……
一番活躍した黒子くんが最初に食べる方が……」


降旗くんたちの言葉に首を振ってそう告げると、みんなも納得してくれたようで、黒子くんにパンが渡された。


「じゃあいただきます……」


そう言って袋をあけ、ぱくりと一口頬張る彼。


「これは……!」


意味深な発言に、みんなの視線が黒子くんに集まる。

……やっぱりおいしくないのかな…………?


「……めっちゃおいしいです」


そう言った彼の表情は今までにないくらい幸せそうで、
2800円するだけはあるんだなぁと感じる。

その後も、福田くん、河原くん、降旗くんと、
みんな幸せそうにパンを食べていった。



……ちなみに私は一口で満足してしまい、
残りは小金井先輩に食べてもらったけれど。

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