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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第6章 売店という名の戦場?


「やっぱ全員で行くしかねぇ!」

「誠凛!ファイ「「オーッ!」」


「頑張れー!!」


河原くんを筆頭に人混みへと突っ込んでいく3人。


途中からは火神も加わり、あの手この手で
イベリコ豚なんちゃらに挑んでいる。




「新沢さん」

「ひぃっ!!…………く、黒子くんか……」


いきなり声をかけられて振り返ると、
いつもとなんら変わらない様子で立っている黒子くん。


「黒子くん…………行かなくていいの?」

「買ってきました」

「え?」


淡々と話す黒子くんの手中にはイベリコ豚なんちゃらが。


「え、え?」

「買えましたよ?」

「え?」

「買えま「え?」


黒子くんが!?
1年生の中で1番貧相な体格の黒子くんが!?


「新沢さん、今 失礼なこと考えましたよね?」

「い、いやいや、なんにも考えてません」

「嘘つく人は嫌いです」

「いやいや、なんにも考えてないから!!!」


「ん?どしたの?」


私たちが騒いでいるのが聞こえたのか、
こちらを振り返った降旗くん。

すぐに黒子くんの手中の物に気がついたようで、
口をぱくぱくさせている。


「おま……それ……っ」

「イベリコ豚カツサンドパン三大珍味キャビアフォアグラトリュフ乗せ、税込2800円です」

「いや、そうじゃなくてっ!!」


福田くんの声に反応したのか、
サーフィン作戦に失敗した火神と福田くんもやってきて、
黒子くんが持つパンを凝視している。


…………………………………………。



「お前、どうやって……!?」


しばらくの沈黙のあと、黒子くんの胸ぐらを掴み怒鳴る火神。

黒子くんは動じずに話す。


「んー……人ごみに流されてたら先頭に出ちゃったんで
パンとって、お金置いてきました」

「…………………………」

「はい」


固まっている火神の手にパンを置いた黒子くん。



ひきつった笑みを浮かべる火神。
乾いた笑いをもらす降旗くんたち。
それを見て不思議そうに首を傾げる黒子くん。



「よ、よし……先輩方に届けに行こうか……」

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