第6章 売店という名の戦場?
「マジなのか……」
「か、カオスだ…………」
火神と福田くんが呟いた。
見渡す限り、人、人、人。
どこぞのスーパーの大安売りか、ってくらい。
そんにイベリコ豚カツサンドなんちゃらが欲しいのだろうか。
……リコ先輩が“ちょっとだけ混む”って言ったときに
日向先輩が苦い顔をしていたのを思い出した。
…………帰りたい………………。
「とにかく行くしかねぇ。
筋トレフットワーク3倍は……死ぬ!!!」
そんな火神の声を聞きながらふと考える。
……筋トレとフットワークは部員のペナルティだけど
私はどうなるんだろう…………。
なにもなければいいけど……リコ先輩だもんなぁ…………。
「よし!まずは俺が行く!火神ほどではないが
パワーには自信があるぜ!!」
そう言って果敢に走り出した河原くん。
「死ぬなよ!」
「頑張って!」
福田くんの声に私も続けた。
……………………が、
あっけなく弾き飛ばされた河原くん。
「歯 たたなすぎだろ!」
降旗くんの突っ込みを聞きながらため息を一つ。
なんだかガタイがいい人も多いし、
一筋縄ではいかなそうだな……。