第5章 モデルさんと海常高校
「じゃあ、俺はそろそろ行くっスわ。
最後に黒子っちと一緒にプレイできたしね!」
そう言って笑った彼の笑顔は、
雑誌で見たものの何倍も綺麗でかっこよかった。
「奏っち!またメールするっスね!」
「うん!」
モデルさんスマイルで言った涼太に頷く。
「あと!火神っちにもリベンジ忘れてねっスよ!」
「か、火神っち!?」
「黄瀬くんは認めた人にはなになにっちをつけます。
よかったですね」
「いや、やだけど!!」
ん?認めた人には…………?
あれ?私って涼太に認めてもらうようなことしたっけ……?
「予選で負けんなよー!!」
彼の声にはっとして公園の入口を見れば、
ぶんぶんと手を振っているのが見えた。
私も笑顔で手を振り返す。
「火神くん。ひとつだけ聞かせてください。
あの話を聞いてましたか?」
「決別するとかしないとか?……っていうか、それ以前に俺、お前とは気ぃ合ってねぇし。ひとりじゃ無理だって言ったのはお前だろ。だったらいらねぇ心配すんな」
涼太の話を聞いてから胸にあった重みがすっと消えて、火神の低い声がすとんと落ちてくる。
「それに、いつも光と共にある。それが、お前のバスケだろ」
そう言った彼を、眩しそうに見上げた黒子くん。
「火神くん、けっこう言いますね」
「かなりクサイこと言いますね」
「うるっせぇよ!!」
黒子くんと口調を真似て言えば、顔を赤くして声を上げる火神。
若干動揺を見せながら公園の出口へ向かう火神を見て、
黒子くんと2人で目を合わせて笑いあった。