第5章 モデルさんと海常高校
3人並んで公園を出る。
……かなり遅くなっちゃったなぁ…………。
「うーん……」
「どうした?」
「いや、なんか忘れてる気がして……」
「思い出せねぇんなら大事なことじゃないんじゃね?」
「だといいんだけど……」
火神に聞かれて答えながら
頭の中のもやもやが一体なんなのか必死で考える。
「あぁっ!!いたっ!!もう!!」
声の主はリコ先輩。
「うぇ!?」
「えぇっ!?」
リコ先輩に腕を掴まれたかと思えば
次の瞬間には逆エビの刑にされていた黒子くん。
そっか、私、リコ先輩に連絡するの忘れてた。
ごめん、黒子くん。
心の中で手を合わせておく。
「よーし、帰るぞー」
日向先輩の声でぞろぞろと駅に向かう誠凛メンバー。
どうしよう、黒子くん死にそうだし、助けた方がいいの?!
「おわっ!?」
どうしたものかとその場できょろきょろしていると
ぐいっと腕を引かれた。
「おめぇは帰るぞ」
「え、でも、黒子くん……」
「はやくしろボケっ!」
「ボケじゃないっ!」
後ろから助けを求める声が聞こえたような そうでないような気がするけれど、火神にずるずると腕を引かれたまま駅へと向かった。
その日の夜には、黒子くんから謎の空メールが30件ほどきていて
“明日帰りにシェイクを奢らせてください”
と、返信しておいた。