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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「黒子くんいないね」

「いねぇな」

「………………」

「………………」


初めて来たここ神奈川で黒子くん探しを始めて早10分。

元々影が薄いせいか、なかなか見つからない。


……っていうか、こういう日に限って携帯を忘れてくるってどんだけタイミングが悪いんだか……。


ため息をつきつつ左斜め前を歩く火神のあとをてくてく歩く。

……が、ここでひとつ問題が。


「あのー……もっとゆっくり歩いて欲しいのですがー……」

「あ”?……てめぇが足短いのが悪いんだろ」

「身長が低いんだから仕方ないでしょ」

「それにしても短足……」

「黙って。ってか帰国子女でしょ?レディーファーストとか紳士的な振る舞いがバ火神くんにはできないの?」

「バ火神言うな。俺はそういうの向いてねぇんだ。
ってか、それ以前にどこに女子がいるんだよ」

「失礼な。いるでしょここに。ぴちぴちの女子高生が」

「お前より降旗の方が女子力たけぇよ」

「い、言い返せない……」


フンと鼻を鳴らして、勝ち誇った笑みの火神。
……解せぬ。


くだらない話をしながらも周りを観察する目は休めずにひたすら水色頭の彼を探す。


ふと歩くのが楽になったと思うと、微妙に歩くペースを落としてくれている火神に気がついた。

……そういえば車道側も歩いてくれている。

これを考えた上でやっているのか、
それともたまたまこうなったのか…………。


火神なら後者か、なんて考えながらクスリと笑いをこぼす。


「そういえばさ…………ってあれ?」


隣にいた火神の姿がない。

慌てて周りを見回すと、フェンスに手をかけて懐かしそうに中を覗く彼を発見した。


「もう、勝手にうろうろしないでよね……」


ため息をつきながら近づくと、フェンスの向こうに同い年くらいの男子学生数人でストバスをしているのが見える。


楽しそうだな……。


…………………………お?


「………………ねぇ、ちょ、火神」

「なんだよ」


隣にいた火神の腕をばしばしと叩きながら、
さらに奥に見える公園を指さした。



見えたのは、黄色と水色の頭。
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