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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「それどういうことだよ!?……ですか!?」


いつの間に食べ終えたのか分からないけれど、
あの量のステーキをたいらげた火神が食いつく。


「奏ちゃんのお母さんはパティシエで、自分のお店を持っているの。だから奏ちゃんもお菓子作りが上手で、部員の誕生日には、毎回手作りクッキーをプレゼントしてくれているのよ」

「え、これマジで手作り!?」


お店のものと同じように包装されたクッキーを
紙袋から取り出して驚いている福田くん。


「あの、お母さんのお店のキッチンを借りて作ったから、ラッピングは綺麗にできてるの。お店のものより味が劣ると思うけど……」

「奏ちゃんのクッキーは美味しいわよ」

「先輩!ハードルあげないでくださいよーっ!
あ、福田くん!あのステーキのあとに食べ物渡しちゃってごめんね?気が向いたときにでも食べてくれれば…………」


いつの間にか私の横に来ていたリコ先輩に抗議しつつ
福田くんへと視線を移す。


サクッ……


「……ってもう食べてるし!!大丈夫!?
気分悪くなったりしない!?」

「これめっちゃうまいよ!新沢さんありがと!」

「どういたしまして!」


おいしく食べてもらえたなら良かった……のかな?


「新沢さんって、全員の誕生日覚えてるの?」


ふいに伊月先輩に尋ねられて、ぶんぶんと首を振る。


「まさか!そんなに記憶力良くないです……。スケジュール帳にメモしてあるだけで……。あ!でも、5月には土田先輩と日向先輩と河原くんの誕生日があるっていうのは覚えてますよ」

「そのクッキーさ、俺たちみーんな、
誕生日になったらもらえるんだよね!?」

「もちろん!……あ、甘いものが苦手な人がいたら
他の物を考えますけど……」


小金井先輩に尋ねられて答える。


「ちなみに奏ちゃんのお父さんは
レストランのオーナーシェフよ」

「ってことは料理も……!?」


ぼそっとリコ先輩が言ったあとに、
日向先輩に食い気味で聞かれて頷く。


「お父さんほどじゃないですけど………。
生活に困らない程度にはできるってだけで……」




そのあとも、お菓子作りや料理のこと、誕生日のクッキーのことなどを根掘り葉掘り聞かれて、ぐったりと机に突っ伏した。
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