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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「このボケッ!」

「どわぁっ!?」


笠松先輩の蹴りで前のめりになる涼太。

……よ、容赦ないな……。


「メソメソしてじゃねぇよ。……っつか、今まで負けたことがねぇってほうがなめてんだよ。しばくぞ!そのスッカスカの辞書に、ちゃんとリベンジって単語追加しとけ!」


先輩の言葉を聞き、表情を引き締めた彼。


笠松先輩率いる海常、素敵なチームだと思った。









練習試合終了後、体育館の前で握手を交わす主将2人。


「地区違うから、次やるとしたらインターハイ本番っすね」


そう言った笠松先輩の後ろで
物凄いオーラを放っているのは武内監督。


「絶対行きます。……全裸で告るの嫌だし」


真顔で言った日向先輩の後ろでは
リコ先輩が光を放ちお花を飛ばしている。



「おし!行くぞー!」


日向先輩の声に返事をして、駅へと歩き始める誠凛メンバー。




あれ…………?


「新沢さん?どうかしましたか?」


校門まで来たところで、急に足を止めた私に気がついた黒子くんが同じように立ち止まって尋ねてきた。


「いや……あの……」


かばんをごそごそ漁りながら言葉を濁す。


うそ。やばい。うそでしょ。


最後尾を歩いていたから、他の部員は気がつかずに
スタスタと歩いて行く。


「……っごめん黒子くん!リコ先輩に私が忘れ物したから戻ったって伝えてもらってもいい?すぐに追いつくから、何かあったらメールか電話して!あ!これ病院のときに必要なやつ!ごめん!よろしく!!」


保険証のコピーなどを押し付け早口でまくし立てたあと、呆気に取られた表情だった彼に心の中で謝りながら、踵を返し海常の体育館まで走った。
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