第5章 モデルさんと海常高校
「僕が出て戦況を変えられるなら、お願いします。
……それに、約束しました。火神くんの影になると」
ここから一番近い病院と、黒子くんの保険証のコピー等を確認しながらその言葉を聞く。
しばらくの沈黙のあと聞こえた、リコ先輩のため息。
「……分かったわ。但し、ちょっとでも危ないと思ったらすぐ交代します。奏ちゃん、病院の手配よろしくね」
「ばっちりですっ!」
リコ先輩に笑顔で敬礼をしてみせた。
ピーーッ
ホイッスルの音で、小金井先輩と黒子くんが入れ替わる。
伊月先輩の的確な指示に、日向先輩のシュート
水戸部先輩の堅実なプレーに、黒子くんと火神の連携
第四クォーター残り5分の時点で82対80の2点差。
残り4分半。
日向先輩のシュートが決まり、ついに海常に追いついた。
ざわめく体育館。
けれど喜んだのも束の間。
涼太の雰囲気が変わり、
黒子くんを見切ってダンクを決めた。
「全員気ぃ入れろ!こっから試合終了まで第一クォーターと同じ、点の取り合い……ランガン勝負だ!」
日向先輩の声にはっとする。
残り3分。
試合はここからだ……!