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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第5章 モデルさんと海常高校


「黄瀬くんに返されるから火神くんオフェンス禁止。ディフェンスに専念して。全神経を注いで、黄瀬くんの得点を少しでも抑えて」

「そんな!それで大丈夫なんですか!?」

「大丈夫だって。ちっとは信じろ」

「でも……っ!!」


日向先輩が言うけれど、引き下がらない火神。


「大丈夫だっつってんだろダアホ。
たまには先輩の言うこと聞けや。殺すぞ」



え…………?

うそ、あの日向先輩が、
いつも優しくてたまにヘタレな日向先輩が、

満面の笑みで“殺すぞ”って言った……?


「ったく今どきの1年はどいつもこいつも……。
もっと敬え先輩を!そして平伏せ!!」


なんだかすごいことを言い放ちながら
コートへと歩いていく先輩。


ひ、平伏せ……?


いつもと全く様子の違う日向先輩を呆然と見つめる。


「スイッチ入って本音漏れてるよーキャプテーン」


スイッチ……?
伊月先輩の言葉に首を傾げる。


「気にすんな。クラッチタイムはあぁなんの。とりあえず、本音漏れてる間はシュート早々落とさないから。オフェンスは任せて、お前はディフェンス、死に物狂いでいけ」


火神に向かってそう言った伊月先輩が、
今度は私に向かって口を開いた。


「そんなに心配そうな顔しないで。大丈夫だから。
俺たち2年を甘く見んなよ?」


いたずらっぽく笑って言う先輩を見たら、
ようやく肩の力が抜けた。


「はいっ!」


笑顔で頷いた私の頭をわしゃわしゃと撫でてから、
伊月先輩もコートへと歩いていった。


水戸部先輩も、黒子くんに変わって入る小金井先輩も、
任せろ、とでも言うように、笑顔を向けてくれる。




先輩方の後ろ姿に胸がぎゅっと熱くなるのを感じながら
ゆっくりと深呼吸をして、気持ちを切り替えた。

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