• テキストサイズ

境界の先

第9章 来る


逢坂くんは毎日のように夕食を食べに来て、3日に1回ぐらい泊まってくれた。

彼がベッドにいると本当に、私はゆっくり眠れた。

彼は私が薬がないと眠れないなんて信じられないかもしれない。



「気持ちいい…あったかい…」

私はベッドの中で彼に抱きつく。

ぎゅー…

「あっ…」

脚を絡ませようとしたら、私の太ももに固いものが…多分彼の固くなったあれが当たっちゃって、思わず脚を引っ込める。

「当たっちゃった? ふふ…ごめんね」

照れくさそうに笑いながら、彼は私の太ももをなでなでする。

「ふふ…逢坂くん…したい?」

私は彼の顔を見上げる。

「それは…まあ…ね」

そう答えて…照れ隠しかな?
彼は私の唇にチュッとキスする。

「しよっか」

私は笑顔で彼の顔を見つめる。

「ん…サキは…したいの?」

「逢坂くんがしたいなら…私いいよ」

笑顔のままの私の顔を、彼はしばらく真面目な顔で見つめる。

「……?」

「僕はサキがどうしたいのか知りたいんだ」

「わたし…?」

改めて考えてみる。

「私には…自分がどうしたいかなんてない…」

私は答える。

「そんなことないよ。よく考えて。君が僕に薬を飲ませて縛った日、君は僕と一緒にいたいからあんなことをやったんだろう?」

「うん…」

「今日はどうしたい?」

「今日は…今日も朝まで一緒にいたい。でも…もう眠いから眠りたい…」

「うん、わかった」

彼が私の頭をなでなでする。

私の目から涙がこぼれる。

「やっぱり寝ちゃダメ…。このまま泣きながら寝たら目が腫れちゃう…」

「別に目が腫れたっていいだろ」

「やだ…可愛くない。朝起きたら逢坂くんいるのに」

「可愛くなくても一緒にいてあげるよ」

「うえーん…」

「よしよし…」



/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp