• テキストサイズ

境界の先

第12章 告る


お風呂に入った後、キャミとパンツだけで部屋の中をうろうろする。

雑誌読んだり、スマホ見たり、明日の教科書の準備したり。
ベッドの上で、意味なく寝転んでみたり。

ここに彼はいなくても、きっと見ててくれるから、彼が。

パジャマを着てベッドに入る。

クマちゃんをぎゅうっと抱きしめる。

「逢坂くん…おやすみ…」

私はクマちゃんのお腹に向かってつぶやく。

この声、逢坂くんに届きますように。

夜が明けて、朝になったら、彼が私を迎えに来てくれる。

私が彼の姿を見れないのは、ほんの数時間。

でもその間だって、私は一人じゃない。

逢坂くんは私の姿を見て、声を聞いて、見守ってくれてるんでしょ?

だから私は一人じゃない。

ゆっくり眠れるの。

「おやすみなさい…逢坂くん…」

私はもう一度クマちゃんに挨拶する。

聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でささやく。


「離さないよ」





fin


/ 98ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp